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メンデルスゾーン バイオリン協奏曲 by 高木凛々子 @藝大奏楽堂 (2018//6/14)

藝大フィルハーモニアの響きは、こんなにも美しかっただろうか、と前半に演奏された、作曲科の学生の作品を聴きながらも感じ入っていたが、後半のメンデルスゾーンになって、更に、その感を深くした。

こんなに真実な響きのするメンデルスゾーンに遭遇することは、滅多にない。
無論、これは、木材の反響板を存分に使った奏楽堂だからこその響きでもある。
弦楽器の音色との相性が抜群なホールだ、と改めて思った。

管弦楽がここまで良いと、学生ソリストは、やや位負けしている観があったが、第二楽章の後の、つなぎの間奏から、俄然、この奏者の持ち味が出てきた。

高速な第三楽章になっても、個々の音がはっきりと聴こえ、ソリストがオーケストラを引っ張る感覚が出てくる。
独奏と管弦楽とのアンサンブルがもつかな、とハラハラ感も出てくるが、この楽章では、そういう演奏が正解である。
こうして、独奏者が存在感を示し始めると、ソリストを食うような演奏をしていたはずの管弦楽が、ただの伴奏にしか聴こえなくなるところが面白い。

多くのバイオリン奏者は、第一・第二楽章は造型できても、第三楽章になると苦戦するのが普通だが、この奏者の場合は、むしろ、この楽章こそが、天性に任せて伸び伸び演奏できている。

持ち味の中に、ノリの良さがあることは、ほぼ間違いないので、この演奏家が、ポピュラー音楽を弾いたら、どんな音楽になるのだろう。
ピアソラなんか弾いたら、持ち味が出るのか、出ないのか。

コンチェルトは、第三楽章が、意外な鬼門として存在している例が多いので、ほかの協奏曲を弾いたら、どんな演奏になるのかも興味深い。

滅多にない、軽快な個性を大切にして欲しい。

東京藝術大学 奏楽堂 モーニングコンサート 第5回 
2018年6月14日(木)11時 東京藝術大学 奏楽堂
ラースロ・ティハニ指揮 藝大フィルハーモニア管弦楽団
小野拓真      渦紋 管弦楽のための
メンデルスゾーン バイオリン協奏曲 ホ短調 作品64 (独奏 高木凛々子)

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