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ビーバー 『ロザリオのソナタ』全曲 第一夜 (2018/4/9)

ホールに入ってみると、舞台上には、オルガン、チェンバロ、バロックハープがセットされている。
後方には、ビオラダガンバとテオルボも置かれていて、予想外ににぎやかな光景になっている。
舞台左には、バロックバイオリンが4台並んでいる。

同行者によれば、本日の演奏作品は、曲によってバイオリンの調弦が異なるのだと言う。
バイオリンにそんな曲があるなんて、初めて聞いた。
そして、そのため、楽譜は、実音ではなく、運指用に書かれているのだと言う。
つまり、通常の楽譜のように運指すれば良いのだが、実際には、見ている音符とは違う音がするというわけだ。
そんな状態に慣れるだけでも、演奏者にとっては相当な負担になりそうだ。

演奏は、まず、全員が出て来て演奏し、それから、オルガンとチェンバロだけが残って伴奏をする。
そして、次は、オルガン奏者もチェンバロ奏者も退場してしまうので、あれあれ、と思っていると、ハープ奏者が入場して来て、バイオリンとハープの演奏になる。

こうして、様々な組合せで聴いてみると、全員演奏の時が聴いていて最も心地良い。
バイオリン音楽を聴いている、というよりも、音楽の響き全体を楽しんでいる、という感覚になっている。
特に、テオルボとハープという2つの撥弦楽器が加わっていることが、音楽に命を吹き込んでいるように感じられる。
これは、古典派以降の音楽からは、失われてしまった響きである。

この心地良さを味わっていると、音楽は、時代と共に変化して来てはいるが、別に進歩してきたわけではないのだ、と思えてくる。
こんな風に魂を安らげてくれる音楽に、現代音楽の世界で出会うことは難しい。

この曲の、見た目の主役は、明らかにバイオリンなのだが、聴いていてバイオリン音楽という感じがしない。

アンコールは無伴奏バイオリンだったが、それでも不思議と、バイオリンを聴いている、という感覚がしない。
見た目はバイオリンだが、別の楽器を聴いているように感じる。
同行者に話したら、同意見だった。
バイオリン弾きが、バロックバイオリンに持ち替えてバロック風に弾いている、という良くある感覚とは、まるで違う音楽世界である。

聴いたばかりなので、よくわからないが、貴重な音楽体験をしたのかもしれない。

リナ・トゥール・ボネ with ムジカ・アルケミカ
2018年4月9日(月) 19時 武蔵野市民文化会館 小ホール
リナ・トゥール・ボネ (バロック・ヴァイオリン)
〈ムジカ・アルケミカ〉
トーマス・ボイゼン      (テオルボ)
ユージン・ミケランジェリ  (オルガン)
アンヌ・マリー・ドラゴジッツ(チェンバロ)
パトヒ・モンテーロ      (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
西山まりえ            (ハープ)
ビーバー 『ロザリオのソナタ』全曲
第1夜 第1曲~第8曲

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