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新国立劇場 「アイーダ」 (2018/4/22)

この歌劇の実演には、少なくとも過去3回は接しているはずなのだが、こんなにも覚えていないものか、と思うほど、記憶にない場面や科白が次から次へと現れた。
特に後半の二つの幕には、ただ暗い印象しか残っていない。
有名な大パレードの場面は視覚的に楽しめても、作品全体をドラマとしては感じていなかったのだろう。

今回これを覆してくれたのが、イム・セギョン歌うアイーダの歌唱であった。

見るからにオペラ歌手という体格のラダメスとアムネリスに比べると、ずっと小柄なのに、この二人を圧倒する声量とドラマティックな表現力が、ホールを、祖国と戦う将軍を愛してしまった女性の内面の悲劇で満たしていた。
その結果、後半からも、前半に劣らぬ強い印象を受けた。
こんな風に、引き裂かれる人生を見せつけてくれてこそ、ヴェルディである。

だが、彼の作品の中でも飛び抜けてド派手な演出がある前半を観た聴衆に、それを超える内面のドラマを感じさせるのは
容易なことではない。
この非凡なアイーダを得ることができたからこその、今回の上演の出来なのだと思った。

2017/2018シーズン
新国立劇場 開場20周年記念特別公演
オペラ「アイーダ」
2018年4月22日(日)14時
【指 揮】パオロ・カリニャーニ
【演出・美術・衣裳】フランコ・ゼッフィレッリ
【アイーダ】イム・セギョン
【ラダメス】ナジミディン・マヴリャーノフ
【アムネリス】エカテリーナ・セメンチュク
【アモナズロ】上江隼人
【ランフィス】妻屋秀和
【エジプト国王】久保田真澄
【伝令】村上敏明
【巫女】小林由佳
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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