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新国立劇場 「1984」 (2018/4/11)

昔、原作を読んだ時には、暗い話が、やや単調に、延々と続く物語に感じたが、この舞台でも、幕が上がった当初はそんな感じで、ともさかりえが登場しても、地味な存在でまるでインパクトがない。
やっぱり、こんな感じの進行が続くのかなあ、と見ていると、ある瞬間から、ともさかが能動的に動き始め、一気に芝居に惹き込まれる。
同行者は、まさか生の舞台で、これほどの恐怖を味わうとは、と驚いていた。

日常生活で、自分の中に、このような感情があることをつい忘れて暮らしている時には、こういう機会に思い出しておくことは大切である。
人間心理に潜む否定的感情は、こうした非日常空間で体験しておくことで、日常空間では、自分を上機嫌に保つことができるのかも知れない。

現在の日本では、犯罪者が、防犯カメラに全く映らないことは稀になった。間もなく、全国全ての防犯カメラに、特定の人物が映っていないかを瞬時に検索することも、技術的には可能になるであろう。

これを犯罪捜査以外の目的で使う世の中が来たらどうなるか、ということは、必ずしも夢物語ではない。
機能的には、AIは、KGBよりも遥かに強力な監視機能を持ち得るのだから。

初演に近い公演は、なるべく避けていたはずなのだが、今回は、なぜか2回目の公演だった。
にもかかわらず、舞台の完成度の高さには、同行者と共に、感嘆した。

新国立劇場 開場20周年記念 2017/2018シーズン
「1984」 Nineteen Eighty-Four
2018年4月11日(金)19時 新国立劇場 小劇場
【原作】ジョージ・オーウェル
【脚本】ロバート・アイクダンカン・マクミラン
【翻訳】平川大作
【演出】小川絵梨子

ウィンストン:井上芳雄
ジュリア(ウィンストンの恋人)、ウェイトレス:ともさかりえ
パーソンズ(7歳の娘に思考警察へと通報される):森下能幸
パーソンズ夫人、ウィンストンの母:宮地雅子
サイム(思考警察に連れていかれる):山口翔悟
オブライエン(党の中枢にいる):神農直隆
マーティン(オブライエンの部下):武子太郎
チャリントン(ウィンストンが隠れる骨とう品屋の店主):曽我部洋士
党員:堀元宗一朗
子役(トリプル・キャスト):青沼くるみ、下澤実礼、本多明鈴日
映像出演:野坂弘 
声の出演:浅野雅博 大澤遊

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