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スポーツとクラシック音楽 (2017/11/25)

チケットは買ったのだけど、いろいろ急がしいので、今回はパスするか、と考えていると、心の中にウィリアムテルのチェロのソロが響いてくる。

これは呼ばれているな、と考え直し、オペラシティへ。

誰でも知っているし、何度も聴いている曲だが、プロの演奏を聴くのは初めてである。

そして、プロの演奏で聴いていると、この作曲家の作品の中でも最高の出来映えの作品ではないか、と思えてくる。

まず、冒頭部がチェロパートの演奏だけで進行する、というのが独創的で、且つ、効果的である。

続く嵐の場面は、ベートーベンを凌ぐのではないか、と思えるくらい、誰が聴いても嵐だと判る。描写力がある。

その後に、平和な場面が来る構成もベートーベンと同じだが、これを、コールアングレののんびりとした音色に、フルートを絡めることで見事に表現している。

最後の騎兵隊も、これは、誰が聴いても、騎兵隊が来る、と判る。
ご存知のギャロップのリズムを、第一バイオリンと第二バイオリンが、それぞれの聴かせ処でバッチリ聴かせてくれることで、音楽が生々しく伝わってくる。

音楽の持つ描写力を、これほどに引き出している曲は、そうはあるまい、と思わせられた演奏だった。
これほどの序曲を持つのに、歌劇そのものの公演はどうして無いのか、いつか実体験して確認してみたいものである。

次は、高校三年生が独奏を務める協奏曲。

冒頭の非凡な音色からして、これは、おそらく個人所有の楽器ではないだろう。
しかし、音色が、奏者の個性に合っていて、自然に楽しめる。

オーケストラをバックに弾く経験は、そんなにないだろうから、独奏を弾くだけで精一杯であろうが、そこは老練な指揮者が、さり気なく支えて行く。

それが、第三楽章で、バイオリンがアルペジオで和音を弾く場面から、独奏者が、管弦楽に身を委ねる感覚に変わって、両者が一体となった音楽が聴こえてきた。
やはり協奏曲は、この感じの聴こえ方になった時の味わいが最高である。
決して、ソロを楽しむだけの音楽ではない。

後半の1曲目は、これもまたご存知の「天国と地獄」。

いかにもオペレッタらしい、シンプルな造りの音楽だが、安物っぽいから、楽しめるのである。
そして、コンサートマスターの、ウィーンの音楽ではないのに、ウィーン情緒満載のソロ。
これも、一度は舞台を楽しんでみたい作品だ。

ここから先は、一転して、直感的には分かりにくい音楽。

サティは、ちょっと弾いたらもう終わり、という曲の連続。
ピアノでは慣れているが、管弦楽だと、こうなるのか。

次はマルティヌーだから、聴いていても、何がハーフタイムなのか、聴き取れず。

オネゲルも、どこがラグビーなのか、は聴き取れず。

で終わってはいけないので、アンコールでは、日本では、運動がテーマだったら〆はこれだよね、というカバレフスキーの道化師。

ヨーイドン!

2017年11月25日(土)14時 オペラシティ
秋山和慶指揮 東京交響楽団
ロッシーニ    歌劇「ウィリアム・テル」序曲
シベリウス    ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47(独奏 佐藤玲果)
オッフェンバック 喜歌劇「天国と地獄」序曲
サティ/ケネディ編 スポーツと気晴らし
マルティヌー   ハーフ・タイム
オネゲル     交響的運動 第2番「ラグビー」

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