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依田真宣&須関裕子 (2017/6/9)

バイオリンの演奏会を聴いて、ピアノ奏者の方が心に残る、ということは多くはないが、本日のピアノ奏者は、そうした1人で、次に聴けるのはいつだろうか、とずっと思っていた。

が、モーツァルトが始まってみると、バイオリン奏者もいい。

柔らかな音色が、弦楽器ならではの喜びを与えてくれる。
オーケストラのリーダーらしく、伴奏にまわった時の弾き方も好感が持てる。

ピアノは、以前に比べて、バスラインがはっきり聴こえるようになった。

バイオリンでは出せない低音がしっかり聴こえることで、バイオリンの音がむしろ好ましく聴こえてくる。

また、次のストラヴィンスキーでは、バスラインを生かしつつ、バイオリンと重なる音域の音量には抑制が効いていて、心憎い。

この曲のピアノパートが魅力的に聴こえることは、あまりないのだが、今回は、古典に回帰したようでありながら、時々見せる現代的な響きが意識して弾き分けられていて、作曲家の意図が少し見えてきたように思えた。

ツィガーヌの前半の無伴奏部分を聴いていると、このホールは、弦楽器の特性を聴かせる音響を持っているな、と改めて認識させられる。
ピアノも、モーツァルトが始まった時、ベーゼンドルファーかな、と思って見ると、スタンウェイだった、という具合である。

バイオリンがフラジオレットで弾く部分では、ピアノ奏者は楽譜から目を離し、やや上方を向きながら、手がイメージのままに動くに任せていたが、ここはラベルのピアノ音楽の美しさが最高度に現れていて感動した。
ラヴェルの音楽は、感覚には訴えてきても、心に響くことはあまりないので、これは初めての経験かも知れない。

また、この曲でのピアノは、ロマ音楽らしいリズム感もよく刻まれていて、音楽を格段に魅力的にしていた。

バイオリン演奏を楽しむには、優れたピアノ演奏が欠かせない。

1時間の演奏会だったが、たっぷり2時間聴いたかのような余韻が残った。

2017年6月9日(金)15時 白寿ホール
第126回 スーパー・リクライニング・コンサート
依田真宣&須関裕子 デュオ・リサイタル
モーツァルト      ヴァイオリン・ソナタ ト長調 K.301
ストラヴィンスキー  イタリア組曲
チャイコフスキー   アンダンテ・カンタービレ
ラヴェル         ツィガーヌ

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