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モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」 (2017/6/5)

改装後、初めて訪れる武蔵野である。
と言っても、改装前は、小ホールはともかく、大ホールは、お世辞にも音楽ホールを言える音響ではなかったので、改装したと言っても期待はしていなかった。

が、来てみると、通俗名曲のプログラムではないにも関わらず、思いがけず大勢の聴衆が集まっている。
開演直前にぐるりと眺めて見ると、ほぼ満員である。

そして、楽員が登場する時の、演奏前から共感に溢れた拍手の感じは、いつもの、地元武蔵野の年金世代ではなく、この楽団とこの曲を知る人たちが、聴衆の主体であることを示しているように思われた。

演奏が始まってみると、改装前の音響からは想像も出来ない音の抜けの良さである。

小編成のバロックオーケストラなのに、音量も充分。

その上、音楽ホールで聴いても聴こえてこない撥弦楽器の音が、分離して聴こえて来るので、これが、素朴なバロックらしい雰囲気を醸し出す。

バイオリンも、各パート1丁しかないのに、管楽器が鳴っている時でも聴こえてくる。

いったい何をどうしたら、これほど音響が変わるのであろうか。

以前は、舞台後方の反響板の音響効果が明らかにおかしく、舞台後方の楽器の音ばかりが聴こえていたが、今は全くそんなことはないので、何か工夫をしたのだろう。

材質を替えたのか、はたまた、秘密の塗料でも塗ったのか。

演奏の質も期待以上に高い。

管弦楽は、今や、日本のバロックアンサンブルは世界水準だと思うので、それほど違いは感じないが、声楽の響きは驚くばかりである。

初期バロックの作曲家であるから、作曲手法は、ポリフォニーが基本だと思うのだが、耳が感じるのは、この作曲家ならではの音楽の躍動感と和声の美しさである。

宗教音楽であるはずであるが、深刻なところはほとんどなく、聖なる世界というより、生の喜びの世界を感じる。
その意味では、バッハの世界よりも、ハイドンの世界との親和性を感じる。

この日は、NHKのカメラが入っていた。
有人が3台、無人も3台。
1曲ごとに歌手が次々と立ち位置を替えてゆくのを全て予め調べ上げてアングルのシナリオを準備しているのであろうか。
どんな番組になるのか知らないが、収録に値する演奏であったことは確かである。

聴衆の反応は素晴らしいに尽きる。

遠く東洋まで来て、都心ではない演奏会場でバロックを演奏するのに、これほど多くの聴衆が詰めかけ、そして、この反応だったら、演奏家たちは、さぞかし嬉しかったことだろう。
そんな風に想わせられる、後味の良い演奏会だった。

コンチェルト・イタリアーノ モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」(全曲)
2017年6月5日(月)19時 武蔵野市民文化会館 大ホール
リナルド・アレッサンドリーニ指揮 コンツェルト・イタリアーノ
モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」

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