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タレイアカルテット @銀座 (2017/4/22)

先日聴いたセミプロの弦楽四重奏団が、銀座のバーで演奏するという話に、何故か心が動いた。
聴いてみて、室内楽とは、本来は、こうしたサロンで聴く音楽だからなのか、と納得した。

これまで何度か、世界的に著名な弦楽四重奏団の演奏を、室内楽を聴くのに良さそうなホールで、それなりのお金を払って聴いてみたが、恐ろしいまでに精緻に構成された演奏なのは分かるけれども、逆にそれが息苦しく、自分の人生にとって必要な音楽とは感じなかった。

だが、今日は、生の音楽を、演奏者のすぐ傍で聴くことがとても楽しい。

最近、コンサートホールへ足を運ぼうというモチベーションが落ちてきていて、どうしたのだろうか、と思っていたが、ホールの座席に座って音楽を聴く、という形式に飽きてきたのかも知れない。

1曲目のベートーベンは、交響曲の1番2番とも似て、モーツァルトに似ていても、モーツァルトとは別物であるところを、感じ取れ切れていない感じがある。

その点、第三楽章は、曲そのものに、もはやスケルツォみたいなリズム感があって、そこをしっかり感じ取ってリズムを刻むので、音楽が俄然生きてくる。

第四楽章は、すっかり活き活きとしたベートーベンになっていた。

バルトークは、先週ホールで聴いた時には、何か向こうで凄いことをやっているみたいだな、だったのが、ここでは渦の只中に巻き込まれた感じで、こうして聴くと、バルトークは確かに音楽である。

特に、第二楽章以降は、作曲家が、どういう構想で音楽をイメージしたのかが、聴いていて、伝わって来る。
やはり、音楽を聴く時には、こんな風な感じ方をしたいものである。

後半は、まずヤナーチェク。
生でも何度か聴いていて、難解な音楽、とのイメージだったが、バルトークの後に聴くと、調性感もあって、ぐっと後期ロマン派に近い。
演奏には、まだ改善の余地はあるが、かなりヤナーチェクの世界に入り込んで来ているな、と感じさせる。

プロコフィエフは、これまで演奏して来た曲の中では、弾き込みの足りない部類だろうな、とは感じるのだが、その一方で、演奏者の共感が押し寄せてくる。
特に、二人のバイオリン奏者からはぐいぐい押し寄せてくるものがあり、音楽って、演奏の完成度云々ではなく、聴衆として感じたいのは、まずこれだよな、と思う。

このバーは、床は布張りだが、それほど深くはなく、天井は木張りで、これが音の抜けを良くしているので、残響は、個々の楽器から聴こえてくるものだけで充分、と感じさせる。

最近、クラシックを演奏するライブハウスはいくつもあるが、実際に音を聴いてみて、音楽を演奏する場としてはどうかな、と思うことがほとんどである。

その点、この場所を誰が選んだのかは知らないが、見識を感じた。

また、革張りソファーに寛ぎながら聴く室内楽、というものの贅沢感も良く分かった。
チェロが低音を、えいやっ、と弾くと、ソファーの革がぶるぶると震えるのだ。

2017年4月22日(土)16時 St. Sawaiオリオンズ
Thaleia Quartet (山田香子、大澤理菜子、渡部咲耶、石崎美雨)
ベートーヴェン  弦楽四重奏Op.18-3...
バルトーク    弦楽四重奏 第4番
ヤナーチェク   弦楽四重奏 第1番「クロイツェルソナタ」
プロコフィエフ   弦楽四重奏 第1番
ピアソラ     リベルタンゴ

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